理事長メッセージMESSAGE
一般社団法人「海外環境協力センター」(OECC)は、我が国における公害対策の経験や技術・ノウハウを途上国に移転することを主たる目的として1990年に創設されましたが、今日では、気候変動対策や資源循環に加え、生物多様性保全など国際社会が直面する地球環境問題への対応や持続可能な社会形成に向けた海外環境開発協力分野において幅広い活動を展開しています。
またOECCは、これまでの活動を通じて育んできた国内外のネットワークをフル活用することにより、「環境インフラ海外展開プラットフォーム」(Japan Platform for Redesign: Sustainable Infrastructure:JPRSI)や「フルオロカーボン・イニシアティブ」(Initiative on Fluorocarbon Life Cycle Management: IFL)の事務局としての役割を担い、我が国の国際的な取組に貢献しています。
さらに近年、「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が第7次評価報告書サイクルにおいて2027年での完成を目指している「気候変動と都市に関する特別報告書」(Special Report on Climate Change and Cities: SRC)の作成プロセスに貢献しており、環境省と「国際応用システム分析研究所」(IIASA)が共同開催した専門家ワークショップ(2024年2月)において、都市間連携プログラムなどの実務経験を有する専門的立場から支援しました。また本年6月には、OECC「橋本道夫記念シンポジウム」(第6回)において気候変動と都市をテーマとする集中討議を行い、その議論の成果を国際社会に発信しています。(第6回橋本道夫記念シンポジウムサマリー)
このようにOECCは、世界が脱炭素・持続可能な社会の実現に向けダイナミックな変革を遂げる中、今後とも更なる研鑽を積み重ね、我が国の海外環境開発協力分野における中核的組織として相応しい役割を果たしてまいります。