OECCの役割
OECCは、開発途上国の気候変動緩和計画策定や実施支援に多く携わってきました。開発途上国政府や地方政府では、パリ協定・NDCを受けたGHG削減目標の設定や、それを達成するための脱炭素技術や政策措置を導入する緩和対策の策定、実施のための能力強化を行っています。
パリ協定で合意された指針の下、脱炭素社会の構築を目指して開発途上国の法律や制度作りを支援しています
パリ協定は、世界のすべての国が参加する普遍的な気候変動枠組として、合意された国際条約です。今世紀後半に、温室効果ガス(GHG)のネットゼロ排出を実現し、気候変動の悪影響に強靭な社会を構築するため、各国政府は、「国が決定する貢献(NDC)」を策定実施しています。
OECCは、開発途上国の気候変動緩和計画策定や実施支援に多く携わってきました。開発途上国政府や地方政府では、パリ協定・NDCを受けたGHG削減目標の設定や、それを達成するための脱炭素技術や政策措置を導入する緩和対策の策定、実施のための能力強化を行っています。
OECCでは、JICAや環境省等のプログラムの下、パリ協定の実施にかかる開発途上国の国内法や緩和計画の策定・実施の協力に参加しています。例えば、ベトナムにおいては、「改正環境保護法」(2020年)、「GHG排出緩和とオゾン保護に関する政令(06/2022/NĐ-CP)」等の法令について支援をしました。また、タイ・バンコク都では、「バンコク都気候変動マスタープラン2021-2030」の策定・実施支援も行っています。
各国のNDCにおいては、エネルギーや交通・運輸、工業、廃棄物、農林水産分野など、様々な分野でGHG排出削減対策が盛り込まれています。これらを国内の行政組織の中で適切な実施とその進捗の評価を行うことが重要ですが、多くの開発途上国にとっては、未経験の分野であり、そのための制度や体制、能力構築が急務となっています。日本では、古くは京都議定書目標達成計画、現在では地球温暖化対策計画の実施進捗の仕組みが運用されており、OECCでは、これらの経験を参考に、途上国内で緩和計画の実施進捗管理の仕組みづくりをお手伝いしています。
地球温暖化対策推進本部「2021年度における地球温暖化対策計画の進捗状況」における廃棄物分野での対策進捗の評価手法
アジア、コーカサス地域を中心としたJCMパートナー国のNDCや関連法規を調査し、炭素市場エクスプレス、及びJPRSIウェブサイトにて公開を行っています。これらの情報は、JCM実施を検討する国内事業者が、該当するパートナー国の気候政策を理解し、パリ協定での目標達成への寄与を含めたプロジェクトが円滑になるよう、整理・発信をしています。