10月27日~11月1日までタイ・バンコクにてオゾン層破壊物質に関するモントリオール議定書第36回締約国会合(MOP36)ほか、関連会議が開催されました。今次会合では、日本政府が推進する、冷媒のライフサイクルマネジメント(LRM)がテーマの一つとして取り上げられ、公式ワークショップも開催されました。
OECCはフルオロカーボン・イニシアティブ(IFL)事務局として、MOP36の会場でブース展示の他、サイドイベントの開催やワークショップへの登壇等を行いました。冷媒のライフサイクルマネジンメントに関して行った、日本の発信については非常に大きな注目が集まりました。
公式ワークショップ・サイドイベント
10月27日にMOP35決定に基づく公式ワークショップ「冷媒のライフサイクルマネジンメント」におけるパネリストとしてOECC理事が登壇しました。
ワークショップでは、技術経済評価パネル(TEAP)による評価報告書の紹介や、各国の政策枠組の一つとして、日本環境省香具フロン室長からフロン排出抑制法に基づく取組が発表されました。またOECC加藤理事が、「資金」(Financial Arrangement)に関するパネルディスカッションに参加し、資金手当ての前提となる取組の透明性/回収・再生・破壊を行う際の測定・報告・検証(MRV)の重要性について説明をするとともに、炭素クレジット制度での高い十全性(high integrity)を目指すことが必要であるとの発言を行いました。
MOP36公式WSの関係資料は以下から入手可能です。
https://ozone.unep.org/meetings/workshop-life-cycle-refrigerant-management/presentations
https://ozone.unep.org/meetings/workshop-life-cycle-refrigerant-management/pre-session-documents
また、10月31日はCCACとともに「パートナーをつなぐ。エコシステムをはぐくむ。~冷媒のライフサイクルマネジメントに向けて~」と題してサイドイベントを開催しました。
サイドイベントでは、約40名程度の参加があり、一般社団法人日本冷凍空調工業会、マレーシア環境省、ベトナムハノイ大学等から各国の技術進捗にかかる発表がありました。OECCからは、途上国における冷媒のライフサイクルマネジメントの促進について、参加者と一体となって考えるロールプレイ形式の発表を行いました。
情報発信と関係機関との連携強化
これまでフロンイニシアティブ(IFL)事務局として実施してきた途上国協力や情報発信の蓄積を基に、1週間にわたるブースでの情報発信に加えて、試験的な取組も含め新しくいろいろと挑戦をした会合でした。大きな成功と共に課題と教訓なども見出した現地での活動でしたが、協力をしてくださる様々な方々との関係の強化など得るものが大きかったです。
会場の様子やセミナー概要等は、以下のオゾンMOP特設ページからご覧いただけます。
https://www.oecc.or.jp/project/ozone-mop/mop36/
CCACでの活動
OECC理事/業務部門長の加藤がCo-Lead(共同議長)を務めているClimate and Clean Air Coalition (CCAC) のCooling HubとCCAC事務局がビデオ配信を行いました。HFC削減等の気候変動対策に関心のある方はぜひご覧ください。
関連リンク一覧
〇国連オゾン事務局のYouTube
冷媒のライフサイクルマネジンメントにかかるワークショップ(10月27日)
日本国環境省が「政策的知見」のセッションに登壇し、日本のフロン排出抑制法について説明しています。
https://www.youtube.com/live/YctYo13K-Ic?si=qNlTJrDAo6xXV7ty
https://www.youtube.com/live/TI4I9zxOI2s?si=GuMDBZF-p0rIzBd5
〇Earth Negotiations Bulletin
https://enb.iisd.org/montreal-protocol-ozone-mop36-vienna-convention-cop13-27Oct2024
上記の「冷媒のライフサイクルマネジンメントにかかるワークショップ」が取り上げられている中で、OECC職員が日本政府/IFLブースで説明をしているところが取り上げられています。
https://enb.iisd.org/montreal-protocol-ozone-mop36-vienna-convention-cop13-28Oct2024
ページ下のAround Venueのところに、日本/IFLのブースで活動するOECC職員の写真が掲載されています。