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温室効果ガス観測技術衛星(Greenhouse gases Observing SATellite : GOSAT)のイメージ (JAXA)
環境省と中央大学が日本製の衛星を用いてアジア・コーカサス各国の温室効果ガス排出削減努力をモニタリングする環境協力を進めています。
OECCは、COP29において中央大学が開催した「温室効果ガス観測技術衛星GOSAT」に関するサイドイベント「Transparency through GOSAT: Proposal of a New Verification Mechanism to The World」(2024年11月14日)の開催を支援しました。この会合には、中央アジア・コーカサスの環境省系の大臣や副大臣、IPCCやUNFCCCの担当者の多くが一堂に会しました。
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サイドイベントの模様
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NHKスペシャルの取材を受ける松澤地球審
パリ協定により隔年透明性報告書(Biennial Transparency Report: BTR)の提出が各国に求められる中、環境省と中央大学は、BTRの精度検証のために GOSATを用いて、各国政府のBTR策定のサポートをすることを提案しています。モンゴルでは、実際にGOSATによるGHG観測データ(大気中の濃度)が現場でのインベントリ検証に用いられ、その結果がGHG排出量を公表する隔年報告書(Biennial Update Report:BUR)に採用されました。
その取り組みは、中央大学の優れた研究者が論文として取りまとめ、Nature系の科学雑誌に受理されました。そこでは、科学技術の政策支援のひな形が示されています。
現地のインベントリとの比較のために使われている気象モデル(WRF)のイメージ(CORDEX)
Scientific Reports – Enhancing scientific transparency in national CO2 emissions reports via satellite-based a posteriori estimates